ヨンイジョン(領議政)とは何か/『雲が描いた月明り』でイ・ヨンと対立

『雲が描いた月明り』についても紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)

正二品以上が「大監」

先に紹介した六曹を統括するのが議政府であり、ここが実際の政治を動かしていた。
その議政府のトップが領議政(ヨンイジョン)だ。数多い官僚の最高峰であり、今でいえば総理大臣に該当する。
領議政の下には左議政(チャイジョン)と右議政(ウイジョン)の2人がいた。これが、今の副総理に当たる。
以上の3人の品階は正一品である。
次に、議政府以外の主な官庁を見てみよう。




・承政院(スンジョンウォン/王の秘書役。特に王命の出納事務を担当)
・義禁府(ウィグムブ/王命に従って罪人を取り調べる)
・司憲府(サホンブ/官僚の不正を糾弾して風紀を守る)
・司諫院(サガウォン/王に諫言し、政治の非を指摘する)
・漢城府(ハンソンブ/首都の司法、行政、治安などを担当)
こうした官庁のトップは正一品から正二品の品階を持っていた。
そして、正二品以上の品階を持つ人が「大監(テガム)」と呼ばれた。韓国時代劇によく登場する呼び方である。
いずれにしても、すべての官僚は領議政になることを目標にした。この地位に就けば、『雲が描いた月明り』で描かれたように、王を上回る権力を得ることもあった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

世子嬪(セジャビン)という人生/イ・ヨン(孝明世子)の世子嬪は?

ホン・ラオンの父と設定された洪景来(ホン・ギョンネ)は誰か?

イ・ヨン(孝明世子)の劇的な人生を振り返る!

イ・ヨン/孝明世子は148年ぶりの「王の正室が産んだ王子」!



固定ページ:
1

2

関連記事

ページ上部へ戻る