〔物語〕もし光海君(クァンヘグン)が現代に甦ったら何を語る?

苦渋の決断

「歴史について謎になっている部分をお聞きしますが、あなたは父の宣祖を毒殺した疑いを持たれていますが……」
「いや、父上を毒殺していない。それは、後になって余を批判する人たちが捏造(ねつぞう)した噂じゃよ」
「その言葉を信じます。それでは、兄の臨海君(イメグン)はどうでしょうか。殺害に関わっていたのでは?」
「兄を差し置いて余が王になった後、兄は余を徹底的に批判して、王位を奪う素振りを見せていた。それを防がなければ、王朝が大混乱に巻き込まれてしまう。あれは、やむをえないことだった」
「すると、あなた自身が臨海君の殺害を命令したわけですね」




「苦渋の決断であった。ただし、我が王朝の歴史を振り返ると、3代王の太宗(テジョン)大王や7代王の世祖(セジョ)大王が、骨肉の争いを起こして王位を勝ち取っている。そういう前例があっただけに、余も決断せざるを得なかったわけだ」
「前例に従ったという言い訳を述べるわけですね」
そう指摘すると、光海君の顔が険しくなった。
「王としての苦悩は君らにはわからん。ときには兄弟でも排除しなければならないときがあるのだ」
「それでは、異母弟の永昌大君(ヨンチャンデグン)を、1614年に死に至らしめた件はどうなんですか?」
「余は指示していない。李爾瞻(イ・イチョム)と金介屎(キム・ゲシ)が勝手にやったことである」(ページ3に続く)

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