健康管理では名君と程遠かった世宗(セジョン)!

断食が多かった国王

政治的な意図をもって王が断食することもあった。それは、王の命令に従わない臣下に抗議を示す意味合いがあった。
実際、朝鮮王朝時代の王というと、なんでも意のままに政治を動かしていたと思われがちだが、実は高官たちの抵抗を受けることも多かった。
そんなとき、王は果敢にハンガーストライキを実行して、臣下の者たちを牽制したのである。




この「ハンスト」をひんぱんに行なった王として有名なのが4代王の世宗(セジョン)である。朝鮮王朝最高の名君と称された世宗も、実は断食によってかなり健康を害したと言われている。
しかも、彼は肉料理を好み、徹底した偏食でもよく知られた。極端な運動不足であったこともあり、彼は30代で糖尿病を患ってしまった。こと健康管理に関しては、名君とはほど遠い存在だったのだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

韓国時代劇に出てくる朝鮮王朝の歴史がよくわかる康熙奉(カン・ヒボン)著『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(実業之日本社/900円+税)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

聖君の4代王・世宗(セジョン)/朝鮮王朝国王列伝4

最強の3代王・太宗(テジョン)〔李芳遠(イ・バンウォン)〕/朝鮮王朝国王列伝3

最強の親子!イ・バンウォン(太宗〔テジョン〕)と世宗(セジョン)

『不滅の恋人』のイ・ガンこと首陽大君(スヤンデグン)は誰なのか

朝鮮王朝の金字塔「ハングルの誕生」



固定ページ:
1

2

関連記事

ページ上部へ戻る