張緑水(チャン・ノクス)という悪女!

 

張緑水(チャン・ノクス)は、両班(ヤンバン)の父と妾の間に生まれた。妾の娘だった彼女は、生まれながらにして奴婢(ぬひ/最下層の身分)だった。彼女は成り上がるために奴生(キセン)になった。




歌と踊りに才能があった

張緑水の容姿は、特に優れていたわけではなかった。
しかし、歌や踊りにおいては天才的な才能を示したため、その評判は宮中でも有名になった。
野心の強かった彼女は、女の武器を最大限に発揮してのし上がろうとした。そんな張緑水の評判を聞いた10代王の燕山君(ヨンサングン)は彼女を王宮に迎え入れて、誰よりも寵愛した。
こうして張緑水は奴婢という最下層の出身ながら、国をも動かす権力を手に入れるようになっていった。
張緑水は、王の側室となり、実の兄とその息子を高官にまで出世させた。また、暴政を続ける燕山君を毎日のように酒宴に誘い、いっそう堕落させた。
さらに、張緑水は国の金庫が空になるほど金銀財宝を使い果たした。
張緑水のこうした悪行は庶民をさらに苦しめた。
1506年、燕山君はクーデターの末に王位を剥奪された。
このとき、燕山君と一緒に甘い蜜を吸っていた臣下の多くが処罰の対象になった。張緑水も例外ではない。




彼女は捕らえられると、庶民の前で斬首刑に処せられた。
しかも、むごたらしく処刑された彼女の遺体に向かい、多くの庶民が石を投げつけたという。それほど、張緑水は庶民の恨みを買っていたのだ。
彼女は現在も「朝鮮王朝三大悪女」に数えられている。

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