朝鮮王朝実録を読む1/「王子の乱」と「ハングルの公布」

 

朝鮮王朝前期の重要な出来事を取り上げます。1398年の「王子の乱」と、1446年の「ハングルの公布」です。

◆1398年8月26日の記述

(靖安大君〔チョンアンデグン/初代王の五男だった芳遠のこと〕が世子となっている異母弟・芳碩〔バンソク〕の後見人だった鄭道伝〔チョン・ドジョン〕を襲う場面が記されている。いわゆる「王子の乱」である)
靖安大君が家臣を呼んで言った。
「どうすれば良いだろうか?」
家臣は「賊が集まった場所を包囲して、火をつけ、外に出てきた者は殺してしまえばいいでしょう」と答えた。
靖安大君は、この言葉を聞いてから行動し、その家を包囲するようにした。鄭道伝らが集まって座り、笑いながら話していた。靖安大君の配下の者たちがその家を包囲し、その隣の家の3箇所に火を放つと、鄭道伝は逃げて隠れたが、他の者たちは殺害された。隣家の男があわててやってきて言った。
「腹がふくらんだ人が自分の家に入ってきました」




靖安大君はそれが鄭道伝だと気づき、兵を向かわせたところ、鄭道伝が寝室の中に隠れていた。彼はつかまり、靖安大君の前に引っ張りだされてきた。
「殺さないでください。昔、公が私を生かしてくださいました。今回もどうか生かしてください」
鄭道伝が靖安大君に懇願したが、靖安大君は首を振った。
「お前は、どうやったらここまで悪事を働くことができるのか」
そう言った靖安大君は、結局、配下の者に指示して鄭道伝の首をはねた。

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