１．朝鮮王朝を建国した李成桂（イ・ソンゲ）は、本来は高麗王朝の武将でしたが、王の命令に背いて都を攻め、最高実力者の座を手に入れました。そして、高麗王を追放して１３９２年に朝鮮王朝の初代王・太祖（テジョ）になりました。ここから朝鮮王朝が始まりました。
２．朝鮮王朝は王が頂点に君臨する中央集権国家でした。王は元首であり、大統領であり、国会議長であり、最高裁長官であり、警察庁長官でした。王はあらゆる権力を握っていたのです。
３．朝鮮王朝の国教は儒教です。その教義が生活の隅々に浸透し、「長幼の序」が重んじられて、先祖崇拝や親孝行が美徳とされました。

４．朝鮮王朝では、官僚たちによる統治が国土の隅々に行き渡り、地方豪族の力が抑えられました。それによって内乱が極端に少なく、王朝は５１８年も存続できたのです。
５．朝鮮王朝には厳しい身分制度がありました。人は生まれながらにして不平等であり、最下層の身分になると、そこから抜け出すことができませんでした。
６．仏教は迫害されて町中から寺院が追放されました。現在の韓国で寺が山中にあるのは、その名残です。肉料理が盛んになったのも、殺生を戒める仏教が迫害されて儒教が重んじられたからです。
７. 王の外戚が権力を握って政治が腐敗して１９世紀前半に近代化が遅れました。１９世紀後半には激動する世界の情勢に対応できず、外国からの干渉を受けて国内が混乱。１９１０年の日韓併合によって朝鮮王朝は滅びました。