公主(コンジュ)というのは、王の正室が産んだ王女のことだ(王の側室が産んだ王女は翁主〔オンジュ〕と言う)。数多くの公主の中でも、貞明公主は歴史的に有名だ。どんな女性だったのだろうか。彼女の波瀾万丈の人生を追ってみよう。
側室から生まれた初めての王
貞明公主の父は、14代王・宣祖(ソンジョ)である。
宣祖は朝鮮王朝で初めて側室から生まれた王だった。つまり、嫡男系ではなく、庶子系なのだ。
13代王までは、すべて王の正室から生まれていた。しかし、宣祖は11代王・中宗(チュンジョン)の側室から生まれた王子の息子なのである。このことが、彼にとっては大変なコンプレックスだった。
それだけに、宣祖は自分の後を継ぐ王に関しては、絶対に嫡男から選びたいと思っていた。
しかし、望みは叶いそうもなかった。宣祖の正室だった懿仁(ウィイン)王后には子供ができなかったからだ。
(ページ2に続く)
激しく生きた貞明公主(チョンミョンコンジュ)2「数々の悲劇」
激しく生きた貞明公主(チョンミョンコンジュ)4「光海君への恨み」
激しく生きた貞明公主(チョンミョンコンジュ)5「仁穆王后の主張」
激しく生きた貞明公主(チョンミョンコンジュ)6「20歳での結婚」
7男1女を育て82歳まで生きた貞明公主(チョンミョンコンジュ)の人生!