貞明(チョンミョン)公主/朝鮮王朝美女物語6

息子たちに言い聞かせた教訓

仁穆王后は1632年に48歳で世を去った。
途端に仁祖は貞明公主を冷遇するようになったが、彼女はよく辛抱した。しかも、応援してくれる高官も多かった。
すべて貞明公主の人徳のおかげである。
彼女は、夫の洪柱元との間で、7男1女を育てた。息子たちはそれなりに出世して家門を高めた。
1672年に洪柱元が66歳で亡くなったが、その後も貞明公主は夫を供養しながら穏やかな日々を過ごした。




1682年、79歳になった貞明公主は人生の終わりが近いことを自覚し、息子たちに「私が世を去ったあとに子孫の間で争いが起きないようにせよ」と言い聞かせた。数々の苦難を経てきた彼女は、息子たちに「人の過ちに寛容であること」「人の道にはずれないこと」「一族が仲良く暮らすこと」を願ったのである。
そして、貞明公主は1685年に82歳で亡くなった。
所有していた広大な土地は子孫に受け継がれた。貞明公主が「朝鮮王朝で一番の大地主だった王女」と称されたのも当然だった。

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