「春宮」「東宮」と呼ばれた
未来の王として公認された世子はそれにふさわしい処遇を受ける。
まず、世子を象徴する七章服(七つの紋様が刺繍されている世子の正服)とともに、世子の権威を象徴する文書や印鑑などを所有する。同時に自分の官僚と護衛兵を率いることができる。
なんといっても、世子は未来の王だ。いつになるかわからない王になる日のため、後継者としての訓練をしなければならない。
世子は新たな時代を開く春に当たるため「春宮(チュングン)」と呼ばれたし、春は東と同義なので「東宮(トングン)」とも称された。
実際、王宮の空間構造で世子が住むところは東だった。
世子を補佐する世子官僚たちは東宮官と呼ばれた。世子の教育を担当したのが世子侍講院で、護衛を担当したのが世子翊衛司である。
世子侍講院の官僚はみんなこぞって、科挙(超難関の官僚任用試驗)に合格した参上官であり、家門も良かった。
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