天敵に当たる女性
1800年6月、正祖は重病になった。
しかし、彼は主治医に自分の診察をさせなかった。毒殺されることを極度に恐れていたからだ。
そんな状態だったので、正祖の病状も悪化するばかりだった。
そのとき、看病と称して出てきたのが貞純(チョンスン)王后だった。
この貞純王后は、正祖の祖父として著名な21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正室である。
正祖の父の思悼世子(サドセジャ)は、当時の政治を牛耳っていた老論派(ノロンパ)の陰謀によって米びつの中で餓死したが、その際に裏で動いた黒幕の1人が貞純王后であった。
それだけに、正祖にとっても天敵に当たる女性だ。
とはいえ、形の上で貞純王后は祖母にあたるので、正祖もまったく手出しができなかったのである。(ページ3に続く)
英祖(ヨンジョ)は思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めるとき何を語ったか
〔物語〕もし思悼世子(サドセジャ)が現代に甦ったら何を語る?