聖君の4代王・世宗(セジョン)/朝鮮王朝国王列伝4

「訓民正音」の創製

世宗は学者がずっと集賢殿にいるのが気になり、衛兵を呼び出すと、彼がいつまで集賢殿にいるのか報告するよう命令した。しかし、衛兵はいつまでたっても現れず、戻ってくる頃には陽の光が差しこんでいた。集賢殿にいた学者は勉強に疲れ、本を開いたまま寝てしまっていた。世宗はその姿に感動し、学者に自身の着物をかけてやった。
これほど学問に熱心だった世宗は、庶民の多くが難解な漢字を読むことができないことに心を痛めていた。



そこで、民族固有の文字を作ることを決めた。
しかし、当時の朝鮮王朝では漢字を学ぶことは、知識人の証明でもあった。それだけに、新たな文字を作ろうとする世宗に反対する臣下が数多くいた。それでも世宗はやさしい文字の必要性を説き続け、1443年に見事完成させた。それが「訓民正音」であり、現在も「ハングル」として国の文字となっている。
朝鮮王朝のために尽力してきた世宗。多忙を極める彼は、徐々にからだを悪くしていく。1450年、多くの民に惜しまれながら53歳でこの世を去った。

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