ついに念願がかなった
最終的には、粛宗も折れるしかなかった。彼は即座に二品以上の高官たちを招集した。その席で権大運は粛宗に尋ねた。
「殿下はいつ頃新しい王妃をお決めになりたいのですか」
「すでに暦を調べてある。まさに今日が吉日なのだ」
粛宗のせっかちな性格に、高官たちも困惑するばかりだった。
彼らにしてみれば、歴代王の前例を詳しく調べてから新しい王妃の決定を礼節にのっとって行ないたかったのだが、粛宗は自分に都合がいいように即決でことを運ぼうとしていた。
秩序を乱しているのは粛宗のほうなのだが、王である以上は最後に臣下たちも従わなければならなかった。
こうして、粛宗の思惑どおりに、張禧嬪の王妃昇格が決まった。
念願の王妃になった張禧嬪。ここぞとばかりに、贅沢三昧(ぜいたくざんまい)の日々を過ごした。
彼女の兄の張希載(チャン・ヒジェ)も大出世し、この兄妹は「この世の春」を大いに満喫した。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
記事提供=「歴史カン・ヒボン」http://kanhibon.com/
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