『オクニョ 運命の女(ひと)』でチン・セヨンが演じたオクニョは、典獄署(チョノクソ)で生まれて育ったことになっていた。それだけに、典獄署は重要な舞台であった。この典獄署とは、果たして何であろうか。
現代で言えば刑務所
朝鮮王朝時代の官庁の1つが「刑曹(ヒョンジョ)」である。ここは、法務全般から刑罰までを仕切る役所だった。この刑曹に所属していたのが典獄署だ。
典獄署は、罪を犯した囚人たちを拘束すると同時に、裁判によって決まった刑を執行する役目を負っていた。
現代に置き換えれば、刑務所と同じである。
よって、典獄署の建物には多くの囚人たちが収監されていた。
この典獄署で実務を担当していた役人のトップは主簿(チュブ)と呼ばれていた。品階は従六品であった。
刑曹の場合、トップの判書(パンソ/大臣に相当する)の品階は正二品である。それと比べると、主簿の従六品は品階が高いとは言えない。
つまり、非常に重要な役割を果たす役所であったが、典獄署の行政上の位置づけはそれほど高くはなかったのである。
なお、典獄署で主簿の下の役職は奉事(ポンサ)であり、品階は従八品だった。
さらに下は参奉(チャムボン)で、品階は従九品であった。
その他に、書吏(ソリ)4人と、羅将(ナジョン)30人が役職を与えられていた。
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