◆1780年6月28日の記述2
沈煥之の言葉に貞純王后が反論した。
「先代王のときも昏睡状態から一夜で回復したことがあった。主上の病状も危篤とはいえ、まだ時間が経っていないのになんということを言うのか。私が直接看病するから、大臣たちはしばらく下がっていなさい」
重臣たちは部屋の外で待機することになった。
すると、しばらくして部屋から慟哭する声が聞こえた。すぐに大臣たちが病床に駆けつけて貞純王后に向かって言った。
「どうしてこのように感情のままに行動なさるのですか。国家の礼法はとても厳正ですから、すぐにお帰りくださいませ」
(結局、貞純王后が正祖を毒殺したのではないかという疑惑が残った)
翻訳=康 熙奉(カン ヒボン)