現在の韓国でも高い評価を得ている女流詩人の許蘭雪軒(ホナンソルホン/1563年~1589年)。彼女の人生は、あまりに儚(はかな)いものだった。しかし、彼女が残した珠玉の作品は、永遠に生き続ける。
メキメキと才能が開花
許蘭雪軒は、評判の高かった役人の長女として生まれている。
許蘭雪軒の2人の兄は高官の地位に就き、弟の許筠(ホギュン/『洪吉童伝』〔ホンギルドンジョン〕の作者)も文才を高く評価されていた。そんな一家の一員として育った彼女は、父やきょうだいからいい影響を受けた。
もともと、実家は才能がある詩人たちを積極的に援助していた。2人の兄と年の離れていた許蘭雪軒と許筠は、許氏一家に訪ねて来る詩人たちから、詩を学んでいった。その結果、姉と弟の才能はメキメキと開花していった。
名のある学者や詩人たちは口を揃えて「許家の才能は素晴らしい」と絶賛した。(ページ2に続く)
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