トンイと争った張禧嬪(チャン・ヒビン)の生涯(中編)

張禧嬪のライバル

王の決定であるため臣下たちは従うしかなく、張禧嬪が王妃になる過程は粛宗の思うままに進んだ。
粛宗によって強引に廃妃にされて、実家で質素な生活をしていた仁顕王后とは対照的に、張禧嬪は王妃として贅沢な暮らしをしていた。
このときの彼女は本当に幸せだっただろうが、その幸せは長くは続かなかった。
張禧嬪が側室をいじめているという噂を聞いた粛宗は、仁顕王后を廃妃にしたことを後悔するようになった。




そんな粛宗の前に現れたのが淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏だ。彼女は、ドラマ『トンイ』の主人公となった女性だ。
すでに張禧嬪への愛は完全に冷めていたため、粛宗は淑嬪・崔氏を寵愛するようになった。
1694年3月29日、粛宗は、張禧嬪の兄である張希載(チャン・ヒジェ)が淑嬪・崔氏を毒殺しようとしているという報告を受ける。
このとき、張禧嬪が属する南人派の力が強くなりすぎたことに危機感を抱いた粛宗は、南人派の高官たちを次々と追放して、1694年4月12日に仁顕王后を復位させた。
その後も粛宗は淑嬪・崔氏の部屋に通い続け、張禧嬪の部屋をまったく訪れなかった。王の寵愛を受ける淑嬪・崔氏に敵対心を抱いた張禧嬪は、女官たちに見張らせて弱みを握ろうとした。

文=康 大地(コウ ダイチ)

トンイと争った張禧嬪(チャン・ヒビン)の生涯(前編)

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