- 2019-2-16
- 韓国時代劇の登場人物
- 安平大君, 朝鮮王朝, 歴史
NHKのBSで放送の『不滅の恋人』に登場するイ・フィ。そのモデルとなっているのが安平大君(アンピョンデグン)だ。彼は、朝鮮王朝最高の名君と評価される4代王・世宗(セジョン)の三男として1418年に生まれた。この1418年というのは、まさに世宗が即位した年であった。
競争心が強かった兄弟
世宗には多くの息子がいた。
長男は後に世宗の王位を継いだ文宗(ムンジョン)だ。
そして、二男が首陽大君(スヤンデグン)であり、1歳下の弟が安平大君だった。
世宗は文宗を王位継承者として重んじたが、同じように首陽大君と安平大君にも期待をかけた。それは、文宗をしっかり補佐してほしいという気持ちからだった。
世宗は、首陽大君と安平大君の二人に重要な仕事をまかせた。天文観測やお経の翻訳、世宗の陵の場所を決めることなど、国家の重要事業を二人が一緒に管理するようにしたのであった。
世宗の晩年には、王命を伝えることも二人がやっていた。王家の中でも重要な位置にいる大君(正室が産んだ王の息子)たちの一人に一方的に権力が偏ると、後に王権の脅威になると考えた配慮だった。
長く一緒に政治に参加していた二人だったが、兄弟愛よりも競争心が強かった。
武人的な資質を持っていた首陽大君に対して、安平大君は詩、書、画に長けた芸術家だった。
特に書は中国までその名がとどろき、彼の書がほしいと願う人が多いほどであった。それだけに、安平大君の自負心も兄である首陽大君に負けなかった。
(ページ2に続く)
決起した首陽大君(スヤンデグン/世祖〔セジョ〕)は何をしたか
首陽大君(スヤンデグン/世祖〔セジョ〕)はなぜ政変を起こしたのか
安平大君(アンピョンデグン)と首陽大君(スヤンデグン)の対立の結末は?