高麗王朝の復興をめざす残党
やがて李成桂は自ら王になることを決意し、1392年に高麗王朝を滅ぼして朝鮮王朝を建国する。
そして、李成桂は初代王・太祖(テジョ)として即位した。
『イニョプの道』は朝鮮王朝が誕生してから10数年後を描いており、当時はまだ高麗王朝の復興をめざす残党が各地に残っていた。
史実のうえでも、朝鮮王朝は高麗王朝の王家一族を容赦なく全滅させようとして必死だった。
建国当初には、「特別に島を用意しましたから、そこで安心して暮らしてください」と呼びかけて高麗の王家一族を集め、島に向かう船をあえて沈没させて乗っていた人たちを水死させる、という非道なことまで行なっている。
このように、高麗王朝の王家一族を目の敵にした朝鮮王朝。こうした歴史背景を知っておくと、『イニョプの道』が描くストーリーを深く理解できるようになるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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