- 2020-2-21
- 韓国時代劇の登場人物
- 朝鮮王朝, 正祖, 歴史
心配な正祖の病状
重臣の1人が「今のお加減はいかがですか」と尋ねると、正祖は「朦朧とした感じだ」と答えた。
その後、李時秀が用意した煎じ薬を飲んだ正祖は少し眠った。そばに仕える重臣や医官たちは固唾をのんで正祖の病状をうかがった。
1800年6月28日になった。
左議政(チャイジョン/副総理に該当する)の沈煥之(シム・ファンジ)が尋ねた。
「夜間に聖体(正祖のからだの状態)はいかがでしたか」
正祖はこう答えた。
「漏刻(ヌガク/水時計のこと)が止まったあとに少し眠った」
今度は李時秀が尋ねた。
「夜間に何か召し上がったものはありますか」
正祖が「ない」と答えたので、李時秀は人参茶を用意した。それを正祖はゆっくりと飲んだ。
李時秀が「優秀な医官を呼んでありますので脈をお取りになったらいかがですか」と言うと、正祖は嘆息しながら言った。
「今の世に病のことをすべて知っている医官がどこにいるというのか」
こう言われてしまっては臣下も返す言葉がない。それを察して、正祖はあとに言葉をつなげた。
「まあ、せっかくだから医官をここに呼べ」
呼ばれた数人の医官が正祖の脈を取り、「気が不足しているのは昨日と同じでございます」と言った。
すると正祖はこう質問した。
「煎じ薬をどのようにすれば良いのか」
それに対して医官は答えた。
「気を補う薬を使いながら、脾臓を温かくする必要があります」
その答えを受けて李時秀が言った。
「医官たちに適切な煎じ薬を相談させて、最良のものを決めます」
しばらく後に、李時秀が煎じ薬を持ってきた。
(次回に続く)
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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