『七日の王妃』の端敬(タンギョン)王后はどんな女性だったのか(再読版)

祭り上げられた王

クーデターを成功させた高官たちは、端敬王后が慎守勤の娘であったことを大きな問題にした。
「父を殺された王妃は、きっとクーデターを起こした者たちを恨んでいるはずだ。しかも、先王の残党たちが王妃をかついで反逆に出るともかぎらない」
高官たちはそう理由を述べて、中宗に対して端敬王后の廃妃を主張した。
もちろん、中宗は抵抗した。




彼は、自分がなりたくて王になったわけではなかった。兄に代わって王位に就くのは気が重かったのだが、高官たちに説得されて仕方なく王になったのである。
このように、臣下にかつがれて王位に上がったのに、さらに愛する妻を離縁することなど到底できない要求だった。
普通なら、王の意思は絶大で、臣下がくつがえせるものではなかった。しかし、中宗の場合は事情が違った。
彼は最終的にクーデターの高官たちに逆らうことができなかった。そこが、「祭り上げられた王」の弱さでもあった。
(ページ3に続く)

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