- 2019-2-26
- 韓国時代劇の登場人物
- 朝鮮王朝, 歴史, 粛宗, 英祖
朝鮮王朝の深い闇
英祖は父の粛宗の正室から生まれた子ではないし、自分の母親の出自に不明な点が多いことが悩みの種だった。
なおかつ、粛宗の子供ではないという告発で反乱まで起きている。英祖の悩みは深くなるばかりだった。
それで、相当な癇癪(かんしゃく)持ちの性格になってしまった。即位から38年後の1762年には自分の息子の思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めて餓死させるという、父親として大変残虐な事件を起こしている。
英祖は偏屈な王であったようだ。
出自の問題で相当悩みが深かったことも事実であり、そうした悩みを通して疑い深い性格になってしまった。
そのことが、息子との不和を引き起こしてしまったのかもしれない。
様々な因果関係が100年後まで続いていく……朝鮮王朝の歴史には深い闇がいくつもあった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。
英祖(ヨンジョ)の生涯1/なぜ思悼世子(サドセジャ)を餓死させたのか
英祖(ヨンジョ)は思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めるとき何を語ったか
派閥争いを治めた21代王・英祖(ヨンジョ)/朝鮮王朝国王列伝21