嗚咽した高官
臣下たちも強硬でした。それは、朝鮮王朝の伝統でもあったのです。王がもし間違った判断をした場合には、臣下たちが身を挺して反対することも認められていたからです。
粛宗はこう反論しました。
「国家が不幸に陥り、宮中で災難が発生した。世の中、このように邪悪なことがあるものか。まさに、前代未聞のことだ。だが、大臣たちが世子のためを思って言っていることを余が知らないわけがなかろう。余がこんなことをする理由はほかでもない。国家のためであり、世子のためなのだ。あの者(張禧嬪)を生かしておけば、余が生きている今でも邪悪なことが起きているのに、あとでどれほどのわざわいとなることか。余が切実に思い、嘆く理由がそこにある。もし今決断できなかったら、臣下たちもかならず後悔するはずだ。かならず国家が手に負えない事態に陥るだろう。なんて恐ろしいことか」
これに対し、ある高官が嗚咽(おえつ)しながら言いました。
「今日の臣下たちはみな世子様のために死ぬことを恐れない連中なのです。世子様を守ろうとする意志は尽きることがありません。殿下はなぜ、そのことについて考えてくださらないのですか」
まるで粛宗の思慮が足りない、と言わんばかりの発言でした。
(ページ3に続く)
粛宗(スクチョン)は張禧嬪(チャン・ヒビン)をぜひ王妃にしたかった!
粛宗(スクチョン)は張禧嬪(チャン・ヒビン)の息子を後継者にしたかった!
粛宗(スクチョン)が激怒した張禧嬪(チャン・ヒビン)の母親侮辱事件!
粛宗(スクチョン)は張禧嬪(チャン・ヒビン)を死罪にするとき何を語ったか